朗読髑髏/吉岡孝次
 
水汲みや
弟たちの世話がある
学校だって遠い

夜 目を覚ます
星が道しるべ
洞窟まで
一人で

煤を立ちのぼらせ
教科書を開く
栞のあったところを指差すと

髑髏は

澱みなく 前の続きを 
朗読しはじめる

そうして次の日から また
家の仕事の合間を縫って
忘れてしまわぬよう
小さな声で

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