オシロイバナ/kw
 
赤と黄と
ラムネの包み紙色をした
オシロイバナ
濁り月夜に照らされ
隘路の脇に華やいで
鼻腔くすぐる慎ましい芳香
帰宅の人を誘惑するよ

水煙りの朝に
頭の膨れた花弁は重たくなって
萼からポトリ
灰褐色の冷たい道路を染め上げる

束の間の幸福は絶えやすい
走り抜ける車輪に敷かれ
押し花は彩度保つけれど
無慈悲な暴力は残像産むのみ
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