私連珠/
玉兎
日に焼けた古びた手は
私の知らない
たくさんの出会いをつなぎ
また別れをもつなぐ
いろいろな色の数珠
ひとりひとりの私連珠
ふるえる手で
なぜか
繊細な作業を
つづけてゆく
つながるはずのない
数珠の意思を
時折感じながら
深く染み入る
こどう
きみも生まれてきたんだね
よんでいたんだねって
つながってつながって
一本になってゆく
そっと深くなるほほのしわ
そっと憂いをだく額
誰も誰も知らない場所で
あなたの私連珠を
見守っているのでしょう
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