僕が旅に出る理由/−波眠−
 

僕が旅に出る理由は
1の僕の最後の抵抗



会わなくて済むこともできたのかもしれない
少なくとも
文字で僕をつたえることはできるって
そう信じていたから
何千字を送信することも厭わなかった



でも、なぜなんだろう
書くことがへたくそになってきたんだ
1の本音を書くために
血走った目で99の嘘をかき集めるのに必死んなって
1って何だったっけ。
わからないまま次の99に手をのばして



99の僕は優しくて
物分りが良いうえに、ユーモアがあって
一歩も二歩も先を行く
その影さえ踏むことができない



1の僕?
返答のないメールに怯えるだけのウサギです
赤い眼で訴える



どまんなかの僕を君に
どまんなかの僕を君に



僕が旅に出る理由




君にあいに行くから



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