無題/蒼木りん
これ一本で一日
身体が軽くなるドリンクを買い求め
明日の救いを祈るともなしに
楽しみ方は忘れた
泣きたいのか笑いたいのか
どうしたいのか
わからなくなっている
私は
夜な夜な他人の書いた
他人の世界を覗ている
そこらじゅうの
アリトアラユル
赤の他人の
そして
種類別
なるほど
哀れな
しあわせは
万人の求める詩(うた)には
ならないのかもしれない
哀しみは
そこはかとなく
誰にも隠されている
泉
ときに
身体深く浸りたくなる
陰は日向を
日向は陰を
雨続き
青空続き
生かされて
ありがとう
生まれては消える気泡
でも
飽きてきた
移動したい
こころ
身体
どこまでも道連れ
これ一本で一日
この一服でひと時
救われれば
他人のことなどわからない
明日のことなどわからない
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