どうしてここには生きてるものしかいないのってこと/ピッピ
 
八月
がくる。別れの季節
を知らないままに。
二度と醒めない夢
を夢見ながら、二度と終わらないおはなし
のまんなかにいる。
失われたひと
によってうたわれた歌
を、誰
にも知られないようにうたう。

狂ったように暑い。ひと
が遠吠えを繰り返し、無数の谺
を噛み千切る。血流
のように横断歩道
を踏み潰し、青信号
は沈黙を破れない。それ
をずっと遠くでながめながら、わたし
は花の模様
になる。

孤独
はゆっくりとほんとうを変形させる。

まちがったこと
を言いそうになって、それから八月
が訪れる。
どこかできちんと壊れてほしい、と思いながら、醒め
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