こんとん/大覚アキラ
 
コンコンとノックして
混沌がやって来た

混沌はソファに腰掛けると
懇々と愚痴をこぼし続け
やがて喋り疲れて
昏々と眠り続けた

窓の外は真っ暗闇で
季節はずれの雪が
コンコン降り続け

混沌の弛みきった唇からは
湧き水のように
滾々と涎が溢れ出て

いつしか部屋の中は
生暖かい混沌で満たされている

きっと
子宮のなかで
羊水に浸かっていたときも
こんな感じだったんだろう

ああなんだか
とても気持ちいい





戻る   Point(4)