こんとん/
大覚アキラ
コンコンとノックして
混沌がやって来た
混沌はソファに腰掛けると
懇々と愚痴をこぼし続け
やがて喋り疲れて
昏々と眠り続けた
窓の外は真っ暗闇で
季節はずれの雪が
コンコン降り続け
混沌の弛みきった唇からは
湧き水のように
滾々と涎が溢れ出て
いつしか部屋の中は
生暖かい混沌で満たされている
きっと
子宮のなかで
羊水に浸かっていたときも
こんな感じだったんだろう
ああなんだか
とても気持ちいい
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