なつ、青、ひかり/ピッピ
夏がはじまる
「歪みすぎ」「歪みすぎ」「歪みすぎ」まだ鳴っていないギターを呼ぶスピーカー
ドーナツの穴を焼かずに食べながらもう少しひどい地獄をおもう
「現在」の引換券を現在に換えれないままあくびをひとつ
8月、左腕がとけはじめて
宵闇の重さに耐えきれなくなって隙間からこぼしだす夏至の指
3つ目の意味で理解を促してホテルの前で無口になって
ペンを持つ ペンはいつかは死ななけりゃいけないことの正しさのため
笑ってた、死ぬのが恐いと笑ってた (幽体離脱の世界なのにね)
どしゃぶりの闇にズックを濡らされて見たことのない世界をはしる
ローマ字で読んだ言葉は罵声語に似ていた、シャイン、君のなまえだ
<end>
第6回うおのめ文学賞 パビリオン−短歌 投稿作品
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