コピーミス/kw
目覚めたら
僕の部屋に同室者が現れた
両親と暮らしているが
生活パターンが違い
机上の英和辞典よりも顔を合わせなかったから
友達ができたみたいで嬉くなる
彼は僕とまるっきり正反対で
コンピュータの配線は器用にこなすし
わらびという文字を漢字で書けるし
90桁の掛け算を暗算で答えてしまうし
ある日
空間を広げる為部屋一面に鏡を貼った
そうしたら
彼が僕の中に溶けて居なくなってしまった
少し寂しいけど平気だよ
銀色の鏡の中で
彼の姿を見つめることができるから
あれ僕は何処に存在しているの
手を伸ばすと硬質な壁
ああああああああああああ
理想に未熟な個性が喰い尽くされてしまったよ
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