冬の虫ケラたち/みもる
 
ぎゅっ、ぎゅっ、と
降り積もったあつい大気を踏み分け進む

照り返す光で白く輝くアスファルト
まるで銀の雲の上

天を仰げば
目が眩む迷いのない太陽のまなざし

僕はあわてて目を背ける

日が暮れ太陽が月とバトンタッチし
セミとスズムシもそれに続く

今日も虫ケラたちは
馬鹿の一つ覚えで花火に群がる

くだらない

花火キンチョールが落下して
みんな殺されればいい

そんな僕も
結局は虫ケラの一人

君に誘われるまま
無意識のうちにふらふらと
河川敷に迷い込んでしまった

七色の甘い花に
本能のまま見とれつつ

今なら花火キンチョールに
殺されてもいいと思う

君と一緒だから
戻る   Point(2)