双子の男の子/
かのこ
幼子の泣いている君を
想像する
さらにそこにもう一人
想像する
赤い頬にはりつく
痛い涙を
拭うのはいつも
その片割れで
まだいらなかった私や
そこにあった言葉
きれいだよ、って言うよ
君のためでも何でもなく
もうすっかり大人になった
手、頬、耳
今、見せてごらん
きれいだよ、って言うよ
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