不連続小説 『煙道 3』/クリ
 

しかしこれは成功しなかった。すると政府は国家的なレベルで「実践」を樹立すべく立ち回った。
このときに実践の具体化をするように祭り上げたのがシューリンガンの孫、爾故陳なのであった。
爾故陳はそのとき東京市で大道芸のライセンスを受けてパフォーマンスをしていた。
そこそこ収入もあった爾故陳ではあるが、彼にはただひとつの不満があった。火が使えないことだ。
そして本国からの帰還命令。「実践」の具現を求められていることを知った彼は、逆にこれを利用しようと考えた。
彼のストリート・パフォーマンスと、「大金玉」の実践の具現化、火、三つを合体させられる、彼は驚喜した。
彼は東京市にあるマジック開発
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