ピラニア/みい
通りすがりの人に頭を殴られたときに
どこかでしあわせになったあたしが
鼻血を流し、ぐらんぐらんの脳みそで
汚れる制服とアスファルトを
きれいに混ぜた
人を殺してばかりのきみの
本当は殺されたいというところで
あたしは生きているかのように
きみのただれたノクターンの中では
誰の指先も探せず、
そういうので泣いちゃうような
よくわかんない味のするので
お腹がいっぱいになったらいいのにね
ゆめで2人のピアニストに会い
そのうちの1人がきみだと言う
きみは一体どれがあたしだかわからずに
ひとりずつ
順番に食べてみればいいと
言いながら
死んだら可愛がってくれる?
と聞いたあたしを食べた
音楽室ではショパンが
素晴らしいノクターンを弾いていた
誰の指先も探せなくても良かった
きみの
どっか世界の欠けたような
あのノクターンを食べて
ひきちぎりあうので、
いっぱいいっぱいのあたしたちが
鍵盤の黒に光を見た
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