「トレードマーク」/プテラノドン
 
それを少女は 
みなに内緒にして
草むらのなかを
さがしていたんだ

川につらなる
あたらしい蜘蛛たちは
糸に針とえさをつけて
釣りをしていたり

雲のなかでは 
ニンジンをぶら下げた馬が
駆け回っていた―り り、りだの
めまいを起こした蝉の鳴き声は
腹を空かしたおれたちを連想させて
と、まあ、

正午頃、少女は
ピンを見つけ拾い上げると
プスリと刺して
箱の中を友達に見せては
自慢して
しばし夏のあいだ
おれたちは
彼女のトレードマークになって
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