ささくれ/落合朱美
 
心のどこかで

青い空をうらんでいた
涼やかな風をにくんでいた

小鳥のさえずりがうとましく
夏の陽射しはまぶしすぎて
顔を上げることもできなかった

心のどこかで

ささくれは剥くほどに
惨めな痛みがつのるのに

うつむくほどに翳りにとらわれて
前も後ろも見うしなう

夏に暴かれた
剥き出しの肩は
身を守るすべもなく
じりじりと焦げついてゆく


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