世界/
奥津強
土壌は 成り立っている
侍の 黒人が
割腹すれば
唖の 女たちが
膿を 持って
現れる
残酷は 紙片であろう
粉々に 引き裂かれた
丸い 新聞紙
球体に したのは
黒人の 地球であろう
膿を 犬が舐めている
きれいな 飼い犬だ
ならば
私は 涅槃に 行こう
私は 駅の 車掌だ
侍を 運びに 行かなくては
ならない
唖の 人間は
球体の 新聞を 読む
月が 周り
太陽が 走り去る
気が つけば
新聞は 燃やされ
犬は それを 食うであろう
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