カフェテリアの隅で/かのこ
 
そうだね、鎖骨は折りたくない
みんなそうでしょ、って

さびれた駅の階段を
がらんどうな夜を、駆け上りながら
窓に映る、その当たり障りのない服装や顔で
私には普通の人間を装っていることが精一杯なのだ

バイクが欲しい
なにをこぼしても風がさらってくれる

轢かれてみたい、そう思う刹那

カフェテリアの隅で
こっちを見ている、ほら

私は私のやりたいようにやるよ
みんなそうでしょ、って

だけど、そうだね、鎖骨は折りたくない
どうせ折るならこの存在を折ってくれればいい
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