夕焼け/
八月のさかな
ひがしのそらに 夕焼けをみた
まぼろしだよ、と
ひとは笑う
からんと音をたてて
百円玉が落ちた
ころころところがって
排水溝に飛び込んだ
現実と、そうでないもの
境界は気付いたら
消えて
まぼろしだよ、それでもわたしは
明日のいまごろもういちど
ひがしのそらに
夕焼けをみる
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