散文詩に梱包されて/岡部淳太郎
 
 日本の現代詩の中で散文詩の占める割合は、無視出来ないほどに大きい。ある程度名のある詩人たちのうちの多くが、散文詩を書いている。散文詩とはいったい何か? ここのところ、個人的に頭の中が散文的になってしまっているので、無理矢理こじつけて、散文詩について少しばかり書いてみたい。



 日本の詩の世界に散文詩というものが現れたのが正確にいつ頃のことなのか、寡聞にして知らないが、散文詩の初期の姿というものを、いくつかの書物の中から確認することは出来る。それらの中から三作品、瀧口修造の「絶対への接吻」、春山行夫の「ALBUM(澱んだ運河)」、萩原朔太郎の「郵便局」を見てみよう。


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