石化した太陽が空から落ちてきた/アクアステル
 
石化した太陽が空から落ちてきた
遠くの海にポチャンと落ちた
みんなびっくりしたけれど
津波はやって来ないから
どうでもいいやと思ったそうだ
波に揺られて潮に流され
暗い海底をまりものように転がった
街は一日中ネオンの光で
空まで白く染まったんだ
やがて賢い人たちは
ニセモノの太陽を空に浮かべて
偽善の光が世界を照らすようになった
忘れられた太陽は海の底で
相変わらずゴロゴロやってるって
そして百年たったころに
地球は炎につつまれた
今でも寂しく燃えています

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