ひとり事/鈴木(suzuki)
 
ぽつり、気付くとくらやみの中

めしいたと、思わぬ程度に街灯がひとつ

コツリ、アスファルトに鳴る音がひとつ

重ねてふたつ、ひっそりと

鳴るモノ無くて

孵ってコツリ、静寂が

驚き、後ろにくらやみが

耳をつんぼに、足はやめ

漏れるはだを、手でおおい

ふと、背のさむさ思えば

ぴたり、張り付くやみごろもに

おびえ

はしりにげれども

ぬくもりなでるものはなし
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