まつりのよる/八月のさかな
 
ちりん、ちりりん
らん、らららん

まつりの夜をゆくひとは
みなしあわせの匂いがする

たとえばあの日
道のむこうにみた彼のせなか
風鈴の音に溶けゆくように
ふわり消えてしまった

ちりん、ちりりん
らん、らららん

夕焼けのなか 真夜中のなか
まつりの夜の喧騒を
もう一度こびんに詰めてしまおう



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