蛍/スプートニク
 
蛍みたいな人だと
電話越しに聞こえるあなたの声が
あまりにもすとんと 心に落ちてくるので
私はもう どうしようもなくなってしまう

帰って 君の手紙を読んで
泣きそうになったよと
どうしようもなくなってしまった あなたが語る

磨き上げられたシンクと 中身のない置き手紙が
あまりにも儚く
昨夜見た蛍のようだと

君は 蛍のようだと

そして あなたも蛍のようだと私は思っている
無数の小さな光と 水の音と
私の首で鳴くガムランボール

ねぇ 五年後の話しをして
あなたの語る夢は 何度聞いても
私を心地よくさせてくれる

あなたの五年後に私が存在すればいいのにと
夢見てみる
でもだめ 私もあなたも蛍みたいに
明日の朝には一夜
生きていたことも忘れて 暗闇に暮らす


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