ただいま/スプートニク
 
もう忘れられると思っていた
吸いたくなくなった煙草みたいに

久々に聞いた君の声にだって
動揺したりしなかった

会う約束をしたものの
出向くのをおっくうに感じた

電車を乗り継いで
バスに乗り換えて
君の家へ向かい
歩く私の足取りは
意に反して早足だ

扉の前に立つ私は前のめり
到着を知らせる声はうわずって
君を映した両の目は湿り過ぎていた

ドウっと 躰の中に大きな流れを感じ
ゆるんでしまった私ははじけてしまって
君の前に全てさらけ出し立っている

ただいま
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