目ざめている/
青色銀河団
[目ざめている]
朝からずっと
手のひらを見つめる
遠くのほうで
蛙が鳴いている
[祖父]
耳が遠くなった祖父は
海に似てきた
くりかえし
くりかえし
穏やかな日々
[眼差し]
八月の光りに
ひかるきみの眼は
街の暗がりの木箱の隅で
小さく震える猫の眼
しんと
ぼくを見つめ返す
たとえ
広大な空に
蒼い影がきらびやかに
過ぎ去ろうとも
[お散歩]
きみはお散歩
一匹の猫と
三匹の兎と
九匹のへびを
引き連れて
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