冬眠/こしごえ
 


  青

丸い月を
烏(からす)がほじくっている
月はやせて
青白くなる

死のニオイより生のニオイが
かくれている
生あたたかい
夕べ


  冬眠

うつろな目をした
少女がいった
「雪でやけどをしたのです。」
全身 結晶の跡がついている
カラッと晴れた 青空に
おちていく




          
個人サイト「As H System」
              詩集「遺伝子」掲載

戻る   Point(15)