冬のふうりん/かなりや
 
わたしはいつも
あの枝のよこをとおるよ
山下さんちとみどりちゃんちの間の
何さんちかわからないおうちの枝

ほんとうはとおりたくないけど
通学路だからしょうがないや
近道してタマの前をとおったら
またおこられるもん
タマはほえたりかんだりしないのにな
だから
ほんとうはとおりたくない
あの枝のよこをとおるの

冬になってから
あの枝のはっぱは4まいにへりました
かわりにみのむしがすみました
でも
わたしはとおりたくないの
まだ
ふうりんがあるから

冬のふうりんはいやだよ
つめたいこえがきこえるよ
のうみそまでとりはだがたつみたい

どうして枝にふうりんをつけたの?
わたしはもうとおりたくないよ
夏はまだかなあ
冬になったばっかりだけど







戻る   Point(1)