冬のふうりん/かなりや
わたしはいつも
あの枝のよこをとおるよ
山下さんちとみどりちゃんちの間の
何さんちかわからないおうちの枝
ほんとうはとおりたくないけど
通学路だからしょうがないや
近道してタマの前をとおったら
またおこられるもん
タマはほえたりかんだりしないのにな
だから
ほんとうはとおりたくない
あの枝のよこをとおるの
冬になってから
あの枝のはっぱは4まいにへりました
かわりにみのむしがすみました
でも
わたしはとおりたくないの
まだ
ふうりんがあるから
冬のふうりんはいやだよ
つめたいこえがきこえるよ
のうみそまでとりはだがたつみたい
どうして枝にふうりんをつけたの?
わたしはもうとおりたくないよ
夏はまだかなあ
冬になったばっかりだけど
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