遠、/ピッピ
 
い物質のつながりで、世界はぶっ壊される。
そしてそれを、誰も待ってはいない。
ようやく真っ暗になって、影が正しい別れ方を覚え、
バイバイと大きく手を振ると、影は笑って絶望する。
(ぼくがそうするから。)
点々と続いた街灯を辿り、誰もいない駅に着くと、
そこには夕暮れの残したかすかに冷たい風が斜め23度を厳かに翔んでいく。
裏切るためだけの甘い言葉や、何かをなくすためのかわいらしい鍵を、
通るはずのない電車に轢かせて、残ったぐちゃぐちゃの残骸を見ながら,
夜は弱点でも知られたかのようにげうげうと咳き込んだ。

戻る   Point(5)