はるのうた/狸亭
 
ふたりしてはだかになってだきあい
てをからめあしをからめ
さけびながらのなみだあめ
ひごとよごとのむさぼりあい

おとことおんなのむみょうのせかい
えにかいたようながんじがらめ
あれはじゅうねんまえのゆめ
いまはもうたがいのいのちをつたえない

なにをもとめあっていたのだろう
おとこもおんなもきえてゆく
かたちばかりがただよいながれ

あめのむこうのまわりどうろう
はるのはなはにじんでゆく
にんげんたちのものういじかんはながれ

(押韻定型詩の試み 4)


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