嫉妬の黄色/
蜜 花
わたし
椿の紅のビロウドのような
柔らかさに触れたくて
はなびらに少し
指先を這わせただけでした
椿は 紅を舞わせて地へと落ち
華の美しさを 下卑たものに変え
惹かれた紅はただ、ただ
色を失って
黄色が 黄色が 黄色が
燃えるように ねめつける
わたしはそれが恐ろしく
靴を脱いで逃げたのでした
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