飛ぶ/「ま」の字
 
               ―飛ぶ そらを
                びゅうびゅうと風の音を聴く


ルルる
おお
手をひろげ
風を身いっぱいにうける、ルル
はてぞない世界を 
何ひとつもない この上を 
風の期待にこたえる ルる ことは
耳朶も 眼球も この 指のさきまでも
赤 青の 細流うつくシく 透けだし タ、 タタタァ!
(おお、反った指のさキザキから ものも かたちも ヒュる、ルルる!
丸みオびながラニ 大地はるかにひろごり
爽やかに かぜ ひかり
が 
ああこの身に ながリこむル とは!

僕の亡き

はびゅうびゅうと墜ちてし 
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