夕暮れが始まる頃に/チャオ
曇り空の晴れた日の夕暮れに、昔からおしゃべり好きな友人が自信たっぷりに言ったことが気になった僕は、土手まで歩いた。
「夕暮れになると魚はいっせいに鳴くんだ」
そいつはアッカンベーが好きだったのに、そいつの両親はアッカンベーが嫌いだった。だから、そいつが両親と一緒に買い物に行くと、アッカンベーをしては頭をはたかれていた。
空には重たい飛行機の足音が残る。僕は出来る限り耳を澄ました。けれど聞こえてきたのは土手で踊る、不器用で乱雑なリズムだけだった
見慣れた道を歩いていていた。太陽が傾き、夜を招き入れようとしている。僕はガラス張りの夕暮れを見ていた。
突然、音符が指
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