きみの、うつくしい/かのこ
明け方の薄い空の下で
やわらかく湿った地面の上で
何か、いいものを見つけましたか
たとえばきれいな色の小石
たとえばいい匂いのする野草
星屑のなめらかさ、夢で出会っただれか
その眼でしっかり見て
匂いを嗅いで、たしかめて
指で触れて感じて、どうか忘れないように
消え去る感傷も知らぬうちに
朝陽はきみを照らして
きみは大きなあくびを、やがて深い寝息を
きみはきっとうつくしい夢を見るのでしょう
わたしにはとても見れないような、うつくしい夢を
そんなきみに憧れを抱いて、わたしは今日を迎えるのです
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