昼寝日和/
雑魚ヒロシ
いつもの駐輪場の屋根の上で
虎縞が昼寝をしていた
あいつめ、昨日俺の前に来て
にゃあと鳴きやがったが
今日はすやすやか
薄目を開けても
何もやらんぞ
ちんまりと背を向け
弛緩し切った腹が
呼気と吸気を繰り返している
寝くたれた耳と
毛皮を黄金に染める木漏れ日
ふと気が付くと
どっかの婆が隣で
同じ方角に目線を送っていた
婆が口を開きかけたので
急いでその場を離れたが
不機嫌なわけでもない
梅雨の中休みの
良く晴れた午後
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