午後の思考/かのこ
 
でもそれは決して音量の大きさの所為ではないから、ずっと気付かないふりをしているけれど
最後の曲がかかると、かなしくて仕様がなかった。
少し顔を上げただけでだめになってしまいそうだった。
一体何がだめになってしまうのか、もう既にだめになっているのではないか、
だけど、だめになってしまいそうだった。
冷めたハンバーグも、皺だらけのTシャツも、
幸せだった頃を思い出させるような現実の悲鳴、日常の笑い声も。
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