不連続小説 『煙道 2』/クリ
 
■二番目の千文字 Endorphine

高さ50センチほどの演台に直接胡座をかいて座っている二人の老人は、しばらく瞑想しているかのようだった。
一人は白髪、もう一人は禿頭で、両人とも優に80歳は超えているだろうと思わせた。
数十秒後、白髪の老人が携えた皮革性らしき大きめのパウチから何やらもぞもぞと取り出し始めた。
左手の掌にパウチの中身をサクサクとこぼしだしたが、遠目には茶葉ではないかと思えた。
私は通訳を通して長老に「あれは何か」「彼らはこれから何をするのか」と尋ねた。
「煙草を吸います」というのがその答えだった。
まだ小学生だった頃、一度だけ煙草を吸う大人を見た覚えがある。と
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