詩人ですもの/佐々宝砂
 
子どものころの私にはロールモデルがなかった。こうなりたい、という目標がぜんぜんなかった。高校生になってからは国語教師(女)に憧れたり、パティ・スミスになりたいなーと思ったりしたこともあったけれど、現実味がぜんぜんなかった。女のくせに極度のマザコンで母親のことが大好きだったのに、自分の母みたいになりたいとも思わなかった。

そんなんでアイデンティティーとゆーやつをどうやって確立してきたのか、自分でもよくわからない。よくわからないけど不自由はしていない。と思ってきたが、やっぱり目標があるっていいなあ、としみじみしている、とゆーことは、私にもそれなりに目標ができたのであった。めでたい。

静岡県
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