罪と罰 /兎乃 しずる
 
もう、君には触れられない・・・
僕の手は穢れてしまったから。

辛くて、苦しくて、逃げたくても、敵わない。
時が元に戻るのならよかったのに。

だけど、そんなことはありえない。

嗚呼、この世に神がいるのなら
僕の心に少しの休息を。
穢れた僕の手に
魂の安息を。
心の悪魔を切り裂くことのできる
光の聖剣を。

泣くことすらできずに、罪という足枷をつけて生きていく。
少しの間の休息でさえ、今は遠い・・・

君の手に触れることはもうできない。
白い君の手に触れられないのは、僕に対する罰だから。
指を絡めることのない僕の手や体、命はもう少しであちらにいく。
これも、僕に対する罰だから。

穢れた僕の犯した罪と
この先に待っている罰。
悲し気な顔を見せないで、笑って見せて?
その君の笑顔こそが、僕の女神なんだから。

痛いくらいに蒼い空。
僕は女神に見守られて旅に出た。
もう君の顔を見る事はできないけれど、
君の笑顔に救われた気がしたよ・・・

ありがとう。
もう届くことのない言葉を君に。
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