夜ごと穢される神/The Boys On The Rock
 
赤き発疹の星座が
麗しき額にきらめく
まだ若き神は
近所の中学校の陸上競技の選手で
夕暮れ
白いショートパンツを紅に染め
黙黙とグランドを走り
ときに
バールの数センチ上を飛び越えることに
ご執心であり
足蹴にしたハードルに涙される

早朝
しなやかな体躯を詰襟で隠し
神聖な坊主頭を揺らしながら
他の神神と屈託なく会話を楽しんでおられるみ姿を
そっと
盗み見て身悶えするわたしは
神のランニング途中に見かけた
散歩する近所の老人であったり
うつむいた背の高いサラリーマンであったり
時に
若き神神すら
羨望のまなざしを注ぐ
女連れの派手な大学生であったりする

そして若き神は
何も知らぬだろう
夜毎 夢の中で
穢されている神ご自身の姿を

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