長い詩/チャオ
 
は飛びながら糞を落とし、糞に驚いた下校中の子供たちは、「エンガチョ」という。

二時間と決められた時間。それを超えもしなければ、減りもしない。
やかんに水を入れて、コンロに火を沸かす。くぐもったガラス窓からじゃ、外の明るさしか分からない。たとえば、今は夕暮れ前の、お昼過ぎ。

潮干狩りに行った頃のことを思い出した、体育館で座っている少年。
家族で楽しみにしていたわりには微妙な天気。晴れでもなく、曇りでもなく、一時雨が降って、晴れ間が見えたり。海水は冷たくて、本当は入りたくなかった。
貝は砂浜に落ちていて、貝を拾うたびに両親は喜んだ。
体育館で座ったまま思い出す映像はそれがやっとだ。
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