春待ち人/沙羅ルビー
 
雪明り照らす散歩道 どれほど月日はたったろう
山茶花(さざんか)香る凍て空の 星に隠れた春の色

落ち葉に染まる並木道 樹々に揺蕩う 君の影
きらり きらり 粉雪孕み さらり さらり 吹き上がる


風に乗せて伝えておくれ 僕は ずっと ここにいると
風に乗せて伝えておくれ 遠い 街へ 君のもとへ


祈るように 祈るように 君を待っています
温かな 温かな 春の日差しのような


不知火ゆれる白浜辺 いつか一緒に見た景色
かつての香りに まどろみながら 君を想い ひとり 遊ぶ

くるくる廻る季節の中で うすれないよう 失くさないよう
ゆらり ゆらり 思い出抱いて ひとり ひとり 歩いています


雪になって届いておくれ 祈りつづけるこの想い
雪になって届いておくれ 空を 越えて 君のもとへ


祈るように 祈るように 君を待っています
温かな 温かな 春の日差しのような

祈るように 祈るように 君を待っています
あざやかな あざやかな 桜の花のような



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