太陽日記?/馬野ミキ
ここ何日か太陽光線により熱が体にこもってしまう
やっぱりこの夏の日差しというのは特殊で
例えば正義超人が本来持っていたような悪の観念と化学反応を起こし
恋をさせようとしたり
事件を起こさせようとする
体中で細胞がぐるんぐるん高速で回転していて
男性ホルモンのようなものがものすごいスピードで血管のなかを巡り、
毛穴から出ては世界にあらわれることなく
アイスノンのような固形の物質を体中にあてわたしは沈黙を守り
ワンルームマンションの一室のようなところで不完全燃焼を起こしている
かつては木製の電信柱の影には必ず何かしらの妖怪が真夜中にうごめいていたものだった
今では東京から福島原発に至るまでの全ての鉄塔の天辺に、コロポックルのような可愛らしい置物が丁寧に配備され
量産型の透明ランナーたちやクズ共、
校庭王やスーパースター悪魔の憩いの場として機能し、それらは全て銀河に包まれる。
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