母娘/
 
食事のマナーが悪い、と
君を叱りつけた
私は不機嫌ではなかった

「ごめんなさい」を君から聞いてから
後片付けを始めた
その頃には言い過ぎたことを少し反省していた

隣の部屋へ駆け込んで
ソファに飛び込み 泣きじゃくる君を聞きながら
泣くまいと涙を堪えていた顔を思い出す

片付け終えて部屋を覗くと
どうやら そのまま眠ってしまったらしい
汗で前髪が額に張り付いている

隣に腰を掛けると そこで改めて君の小ささを知る
それは ソファの大きさに対してではなく
泣きつかれて眠ってしまうところであったり、
その寝顔であったり、
どんな時でもタオルを放さないところであ
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