G/本木はじめ
 

雨の降らない六月



その船は悲しみ行きでありました水の無い月みたいな国へ




第八楽章



携帯の目覚まし鳴っても気付かない音楽会の夢を見ている


最大の音を探して様々なものを破壊す打楽器奏者




たとえ与えられてもわたくしはひとつをあきらめた者であるのです




回転する満開のカッティングレーズン



暑き夜に捧げる犠牲としてのわれの睡眠時間と肉体と汗




マルボロライト



息継ぎとしての喫煙くりかえす失われてゆく世界の部屋で








重力をひとつの罰だと仮定して踏み出す一歩が増やしゆく罪


ゆるやかな傾斜をわれは自転車のブレーキかけづに黄泉の国まで







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