ハイ幽霊/こしごえ
黙る
さも何か居るかのように
いいでしょう?
カンナサルビアホウセンカ…
すべて食して夏に副(そ)う
しんと訪れる
宵の膨張空間
世迷(よま)い言すべらせる
「あたし何も変わらない」
(罪を怨んで人を怨まず)
満ちる月がみていた嘘
現(うつつ)の夢にていとさみし
故に透けて見せるの?
食らい尽くせぬ光の束に
眩暈(めまい)おぼえて白く焼けた
嗚呼(ああ)、風に溺れる
流線形の夏
生死する恋の空
はばたく未来の歪(いびつ)な体温
しだれ柳と連れ添って
片目をつむり髪を梳(す)く
嗚呼、消える炎天下に風を呼び
高く響いて飛翔する
黙る
さも何か居るかのように
いいでしょう?
カンナサルビアホウセンカ…
すべて食して夏に副(そ)う
(叫ぶ!)
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