月明かり/
鮎川
僕が雨のような水性のものを纏うみたいに
彼女は単純
分類する歴史の過程と起こりうるすべての結果について
彼女は明確に区別する
偶然と必然の隔たりを超えて
彼女は読書する
運命でも垣間見るように
ゆるやかなカーブを曲がると
沼みたいな生活が待っていた
そのことを彼女は無表情で交わし続ける かろやかに
拘束されない曇り空のように
彼女の動力は花
秋の夕暮れに回転する花びら
彼女は成立している
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