汚れた棒縞のドレス/
吉岡孝次
背広を脱がせてあげたい
問い質すこともできないほど聡明な
娘 として
小石で掻いた傷を手当てしてあげたい
枯れ草の切れ端を払って
でも堪え切れないように「どうやって?」 と
聞いてもみたい
私もその日一日を意義あるものとして
床につける晴れやかな夜を
持ちたいと願い
鍋を底から覗いて
コンロに 丸く火を点けた
(疲れも
とれるといい)
私の欲望は
ガスの燃える匂いにいつか
変わった
私をそのままにして
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