破壊的衝動による狂乱の独白/虹村 凌
の一本の煙草で、彼を幸せにする事が出来た。
例え、10分と持たない幸せだとしても。
仕事を持ち、家庭があり、愛すべきものに囲まれた生活が、
みんなが求める幸せなのだろうか。
ある漫画家は、こう言っている。
「人間が友達や恋人を求めるのも、権力や金をほしがるのも、安心の為だ。」と。
安心、か。
俺が、死ぬまでに誰かを愛したいと思うのも、安心の為だ。
一人で死ぬんじゃない、と言う安心が欲しいのだ。
邪なのかも知れない。いや、邪なんだろうと思う。
そう思う事で、また俺は不安から少しだけ解放されている。
家庭や仕事、愛すべきものに囲まれても、安心が無い生活。
むしろ、一見幸
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