十月 十一月 十二月 虹/青色銀河団
止んだ 夕焼けがとてもきれいだった
虹がでていた 不吉なほど美しい虹がでていた
十一月
去年の子猫は
もうおとなになった
おととい
二匹の子猫を
産んだ
小高い丘の
天文台の脇をすぎる
風のように
夢はいつでも
ゆっくり醒めてゆく
十二月
僕の水色の夢の中に住む
悲しいキリンは
その静かな凪のたたずまいが
一層物憂げな遠音を
儚むのだけれど
そこはかとなく香る
ヒヤシンスの根の偏西風が
僕のトレンチ・コートを
ずぶ濡れにしてしまう
コップの中の小さな稲妻が
悪戯っ子のように笑うと
すぐそこに
寝呆けた空缶の冬が
やってきていた
にじ
ぺるせうすざの
はしっこで
にじをみていた
あおくひかる
ほむらのようにゆらぐにじ
ときおり
ちいさなほがはぜ
あたりがすこしだけ
あかるくなる
はくいきはかなしく
こんなにもきれいなほど
ぼくは
じゆうなんだ
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